「and」と「but」について
Quoraというサイトに、以下のような質問がありました。
※Quoraとは海外版Q&Aサイトで、グローバルなYahoo!知恵袋的サービスです。
こちらの動画についての投稿です。
盲目の老人が
「I’m Blind, Please Help(私は目が見えません。助けてください)」
と書いたボードを置いて座っていても誰も見向きもしなかったのに、ある女性が
「It’s a Beautiful Day, and I Can’t See it」
と書き換えた途端、たくさんの人が寄付をしてくれたという内容です。
色々なとらえ方ができそうですが、これは一種の「共感」の大切さを表現している動画です。
「It’s a Beautiful Day」という文章で人々の共感を起こし、自分事化させることに成功したという事例です。
Quoraの質問は、
『2つ目の文章は、「and」じゃなくて「but」の方が正しいのでは?』というもの。
確かに
「今日は素晴らしい日です。でも、私はそれを見ることができません」
であれば、
It’s a Beautiful Day, but I Can’t See it
の方がしっくりきますよね。
でもQuoraで集まってきた回答が素晴らしく、色々と考えさせられます。
- 「and」にしてネガティブ要素が減ることで人々を動かす
- 「but」にしてしまうと同情を強要する文章になる
- 「but」にしてしまうと「I Can’t See it」であることは普通じゃないことだと暗に示す(この老人は、見えないことが当たり前の世界に生きているので、butは使わないはず)
- 「but」は否定の意味で、盲目の人も「Beautiful Day」を感じる自由があるから「and」が自然
- 「It’s a Beautiful Day」と「I Can’t See it」の2文は繋がっていないから「and」が正しい(どちらかも並列して存在する)
日本語にしようとすると、「でも」と否定を使わないとなんとなく不自然な感じしますが、英語だと「and」の方が深みのある文章になりますね。
直接的な英語の学習とは異なりますが、「ほお」と思ったのでシェア。